なんとブラジルのサンパウロで講演会に登壇させていただきました!!!
会場はリベルダーデという日本人街にある日本移民史料館。史料館では2016年11月から「ブラジル日本移民をはじめた男 水野龍―笠戸丸航海日誌サンパウロ初公開」 という企画展を開催していて、そのフィナーレとして水野龍にまつわる講演会「コロニア今昔物語」を企画されたのです。
講演会は前半と後半の二部にわかれていて、私は92歳の大浦先生のお話の後に登場しました。
「カフエーパウリスタに魅せられて」というタイトルで、現在史料館で展示中の『笠戸丸航海日誌』に記されているサンパウロ州政府と水野龍の間に交わされた珈琲契約に基いて日本で展開されたカフエーパウリスタについてお話しました。
日本に現存したカフエーパウリスタを撮影したのは世界広しといえども私しかいないわけで、解体前のカフエーパウリスタの記録映像(箕面店と甲陽園店の記録映像)を流すと、体を前に乗り出し食い入るようにご覧になっている方がいらっしゃいました。参加された方のほとんどが日系人だったので、「ブラジル日本移民をはじめた男 水野龍」の作ったカフエーパウリスタに対する関心の高さは日本の建築マニアの方々とはまたちょっと質の違うものを感じました。
講演のまとめとしては、水野龍、小林一三、本庄京三郎という明治の終わりから大正時代にかけての実業家たちはそれぞれ自身の哲学を持っていたということ。三人の共通点はそれぞれの新しき村を目指して挑戦したことだという感想で締めくくりました。会場にはたくさんの人が集まってくださり、100年の時を経て水野龍やカフエーパウリスタが再評価されていることを実感する体験となりました。
催事名 コロニア今昔物語
日 時 2017年1月19日(木)18:00
会 場 ブラジル日本文化福祉協会9階 ブラジル日本移民史料館
主 催 サンパウロ人文科学研究所 ブラジル日本移民史料館共催
《プログラム》
第一部 「水野龍展と私―その上を流れた時間と人々」
話者 大浦文雄氏(スザノ福博村会顧問)
第二部 「カフエーパウリスタに魅せられて」
話者 若林あかね氏(映像作家)
2017年2月2日 ニッケイ新聞
2017年2月15日 サンパウロ新聞